基本事項の整理(DX)
デジタルデータの活用と共有
企業内におけるデジタルデータの活用度について、縦軸にデータの遅延時間とし、横軸に利用データの共有レベルとし、社内でのデータ連携をプロットすると、リアルタイム共有アプリ の重要性が再確認できます。
階層間、組織間における情報共有/連携について
階層間における情報共有/連携では会社の有効な情報が上位者で独占される傾向が顕著です。必要な保有情報が組織のデータとして、開示ルールに従って組織内で共有され有効に活用されることが重要です。様々な会議における情報の開示レベルは組織の長の判断に委ねられている場合がほとんどです。それでも、従来型の同じ場所で働くワークスタイルでは組織を超えた相互コミュニケーションにより情報共有/連携が補完されていました。最近のリモートワーク中心の状況においては「ルールベースでの階層間のコミュニケーション」の重要性が増しています。
組織間での情報共有/連携については、従来から重要性の認識は高く、「縦割り組織の弊害の排除」、「横割りの組織や会議体の組成」など様々な取り組みが行われています。しかし、お互いの組織について、「現場でどのような取り組みを行っているのか」、「現場での工夫が横展開できそうだが組織的支援が無理なので・・・」といったケースも多いのが現実です。これらの情報は、企業での課題抽出や共通理解のために非常に重要な情報でありながら組織の様々なところで埋もれています。ローカルルールや組織内慣習として伝承されている例もあります。
様々なマネジメント情報をデジタル化し、ルールベースで開示するような情報共有/連携ツールは素早い意思決定に重要です。有効なコンテンツを蓄積し共有することは、企業の競争力としても重要な要素です。
営業活動の「可視化」と「共有」について
受注型の企業においては、案件毎の可視化と共有は最重要テーマの一つです。案件毎の進捗チェック管理を行い、営業活動の可視化による案件情報の共有化によるリソース管理が重要です。
一般的に営業プロセスでは、最初に具体的な受注確度を定義します。営業担当者は案件の情報や受注確度を随時更新します。案件規模や開発内容・期間なども随時定量化することにより、案件総量、顧客数、案件数、案件粒度などの重要な指標の可視化が可能となります。可視化によって関連組織との案件共有が促進され、より正確な四半期や年度ごとの売上予測を立てることができます。営業のタスクは受注だけでなく、営業における顧客との接点の維持も重要です。特に重要な顧客に対しては、経営層を含めてアカウントプランなどを作成するケースもあります。
受注案件管理プロセスは、通常、エクセルなどのスプレッドシートを利用しています。エクセルは、排他使用の為、同時更新ができないので、何人もの人が同様の作業を行うには不向きとなります。従って、チームごとに分割したものを後で集計するなどの工夫を行います。例えば、これを、「リアルタイム共有アプリ」の更新システムとすることで、同時並行作業ができるようになり、作業効率・作業期間の改善が期待できます。
マネジメントに関わる階層的・定型的な報告・集計プロセスの効率化について
マネジメント関連の様々な階層的・定型的な資料やレポートの報告・集計については、現場での作成作業を含めて、メールによる添付ファイルリレー方式が一般的です。これを「リアルタイム共有アプリ」の更新システムとすることで、様々な制約がなくなり、新しい業務プロセスとなります。
一般的に、同じことの繰り返し作業は、効率が悪いとされています。これは、手作業の繰り返しによる、人的資源の無駄をイメージしている為です。しかし、多数の人が、「リアルタイム共有アプリ」による支援ツールにより繰り返し作業を行う場合は、隙間時間程度での作業となり効率化が実現できます。
例えば、月次業績の締上げ作業の場合、受注確定や売上確定が月末に集中します。数日前から関係者に対して受注情報、業績情報を確認するために「月次実績(仮締)」を連携します。受領した担当は、自分の対応可能な時間帯で、支援ツールにより予測していた業績と「月次実績(仮締)の実績データを比較することで、経理部門との確認や不良データの早期の判別が可能となり、結果的に、早く収束するようになります。経理部門との確認などに支援ツールなどの差異報告などが自動出力されればさらに効率化が可能となります。